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特集 クロマチンによる転写制御機構の最前線
Ⅴ.クロマチンと転写制御に関する新技術
クロマチン構造における転写制御の理解に向けた技術開発
Development of the technologies to elucidate chromatin-mediated transcriptional regulation
原田 哲仁
1
,
富松 航佑
1
,
武 千湄
1
,
大川 恭行
1
Harada Akihito
1
,
Tomimatsu Kosuke
1
,
Wu Qianmei
1
,
Ohkawa Yasuyuki
1
1九州大学生体防御医学研究所高深度オミクスサイエンスセンタートランスクリプトミクス分野
キーワード:
エピゲノム
,
1細胞解析
,
クロマチン構造
,
ChIL法
,
次世代シークエンサー
Keyword:
エピゲノム
,
1細胞解析
,
クロマチン構造
,
ChIL法
,
次世代シークエンサー
pp.255-259
発行日 2023年6月15日
Published Date 2023/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425201685
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ヒトのほぼすべての種類の細胞は同一のゲノムを持つ。この同一のゲノムを持つ異なる種類の細胞の特性と機能は,遺伝子が存在するクロマチン構造の転写における選択性により支配されている。したがって,転写はRNAポリメラーゼⅡによりゲノムDNAからRNAが合成されるプロセスという側面に加えて,異なるエピゲノム状態を判別し,適切な遺伝子発現を選択する過程と言える。近年の1細胞解析技術の高感度化,高深度化に伴い,細胞の型のみならず,細胞状態変化まで遺伝子発現の総体であるトランスクリプトームで区別可能になりつつある。一方で,これら細胞の状態変化が可塑的な範囲か,あるいは細胞型として不可逆的な変化を示したのかは判定が困難である。改めて,クロマチンレベルの遺伝子発現解析の重要性が高まっていると言えよう。本稿では,転写の場であるクロマチン構造変化と転写を測定する試みについて代表的な技術を紹介したい。
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