増大特集 脳とからだ
特集「脳とからだ」によせて
『生体の科学』編集委員一同
pp.370
発行日 2021年10月15日
Published Date 2021/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425201390
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脳が体内の様々な情報を集約し生体の恒常性を保つための制御シグナルを発することは,内分泌系や自律神経系において古くから研究されてきました。近年,このような脳と体の相互作用には,腸管内の細菌叢やそれと反応する免疫系など,より多くの因子が関わり,単に代謝系の恒常性維持などだけでなく,“こころ”を含む脳の機能維持に深く関わることが明らかになってきました。『生体の科学』ではこの度,この分野の発展に大きく貢献されている研究者の皆様にご協力をいただき,「脳とからだ」という題で,この分野の発展を鳥瞰できる特集を編集しました。
第Ⅰ章の「腸,免疫系,脳の相互作用」では,多発性硬化症に代表される免疫性神経疾患の発症や進行へ及ぼす腸内細菌叢の影響,T細胞活性化による不安の亢進,さらには自律神経系が及ぼす免疫系細胞の動態や炎症反応への影響など,神経と免疫の幅広い相互作用について論じられています。
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