Japanese
English
仮説と戦略
哺乳類における中枢性の老化・寿命制御機序—健康寿命の延伸と病のない余生を考える
Regulatory Mechanisms of the brain in aging and longevity in mammals
佐藤 亜希子
1
Satoh Akiko
1
1国立長寿医療研究センター中枢性老化・睡眠制御研究プロジェクトチーム
キーワード:
健康寿命
,
老化・寿命制御因子
,
視床下部
,
生理学的老化
,
老化biometric
Keyword:
健康寿命
,
老化・寿命制御因子
,
視床下部
,
生理学的老化
,
老化biometric
pp.84-90
発行日 2021年2月15日
Published Date 2021/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425201316
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日本は,1970年に高齢化社会[人口に占める高齢者(65歳以上の人)の割合が7%を超えている状態]となり,1994年からは高齢社会(人口に占める高齢者の割合が14%),そして2007年からは,ついに超高齢社会(人口に占める高齢者の割合が21%)となっている。老化現象は一見複雑ではあるが,細胞から個体レベルまでを系統立てて老化・寿命制御機序を明らかにしていくことで,老化疾患に対する新規の予防,治療,そして診断法の創出につながり,人々へより健やかな生活をもたらしてくれることが期待される。
本稿ではまず,寿命推移から日本の超高齢社会とそのなかで挙げられる課題について述べる。次に,老化の遺伝的素因となり得る老化・寿命制御因子を紹介し,更に,これまでの報告から,哺乳類の老化・寿命を制御するうえで,脳,特に視床下部が持つ機能的重要性をまとめ,最後に,老化の予防と治療を目指した介入法について考察したい。
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