--------------------
あとがき
野々村 禎昭
pp.264
発行日 2019年6月15日
Published Date 2019/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425200994
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
「生体の科学」の編集者には免疫の専門家がいないため特集テーマに免疫が取り上げられないことが気になっていた。金原財団の理事会で宮坂理事にご相談したところ,それは「チェックポイント」ですよ,という答えが返ってきた。早速本号で免疫チェックポイントを特集した。そして阪大宮坂教授は冒頭で的確に免疫チェックポイントを総括してくださった。問題はどのような著者に書いていただくかであるが,その点では現在この領域で活躍中の神戸大の的崎教授がすべてカバーするテーマと著者を考えてくださった。
原稿依頼を出そうとしているとき,免疫チェックポイント分子,PD-1とCTLA-4の発見およびその機能発現が癌排除に働くことから,ノーベル生理学・医学賞の発表があり,京大の本庶佑教授とTexas大のJames Allison教授に授与された。我々の企画意図は正に当たったわけである。また,本誌前号も免疫を特集したが,この中にチェックポイントが含まれていなかったのも不思議で,おかげで本号は今回のノーベル賞の詳しい解説ともなった。とってつけたような解説が慌てて出ている中で本号の著者たちの詳しい総説をじっくりと学んで欲しい。
Copyright © 2019, THE ICHIRO KANEHARA FOUNDATION. All rights reserved.