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あとがき
野々村 禎昭
pp.192
発行日 2013年4月15日
Published Date 2013/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425101438
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骨格筋は細胞学的に異常な細胞と言える。巨大な大きさを持ち,多核であり,非常に強い再性能を持つ。この再性能こそ本特集のテーマであるサテライト細胞が存在するおかげである。現在,学問領域は細分化し,その専門領域では周知のことが他領域の研究者にとっては未知のことが増えてしまっている。
昨年ノーベル賞を受賞された山中伸弥教授のIPS細胞,多目的幹細胞の元たる幹細胞としてのサテライト細胞は比較的早い時期に見出されていたが,哺乳類で本格的に研究がなされてきたのは最近のことであり,他領域の研究者はその内容をほとんど知らないようである。本号では精神神経センターの武田先生と東京大学総合文化研の長田博士のご協力で特集としてサテライト細胞研究の最近の成果を,比較的若い研究者の方々を中心に原稿を依頼した。冒頭に長寿研の橋本先生にサテライト細胞の定義的なこと,その研究史を詳しく執筆していただいた。他領域の研究者はまずここを読んでいただければ概観をつかめると思う。著者の方々には基礎的な問題のほかに疾患,治療についても触れていただいた。
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