骨と多臓器連関
骨と関節リウマチ
田中 良哉
1
1産業医科大学 医学部第1内科学講座
キーワード:
Steroids
,
関節リウマチ
,
骨芽細胞
,
骨疾患
,
骨粗鬆症
,
内分泌系
,
破骨細胞
,
骨
,
免疫系
,
B細胞
,
T細胞
,
骨組織リモデリング
Keyword:
Arthritis, Rheumatoid
,
Bone Diseases
,
Bone and Bones
,
B-Lymphocytes
,
Endocrine System
,
Immune System
,
Osteoporosis
,
Osteoclasts
,
Osteoblasts
,
Steroids
,
T-Lymphocytes
,
Bone Remodeling
pp.121-128
発行日 2014年4月1日
Published Date 2014/4/1
DOI https://doi.org/10.19020/J02201.2014192916
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関節リウマチ(RA)は,関節滑膜炎を病態の主座とする全身性自己免疫疾患である.RAでは,(1)滑膜炎症の直接的な波及に伴う骨・軟骨破壊,(2)滑膜炎の波及に伴う傍関節性骨粗鬆症,(3)閉経,加齢,不動,合成糖質コルチコイド(ステロイド薬)などによる全身性骨粗鬆症などの骨障害を伴う.全身性骨粗鬆症は閉経,加齢,ステロイド薬などの多様な要因で生ずる.一方,免疫系の不均衡,および,それが引き起こす炎症性刺激は,破骨細胞の分化誘導,骨芽細胞・骨細胞の分化抑制を介して,骨代謝回転の不均衡や逸脱を引き起こし,関節破壊や続発性骨粗鬆症などの病態を形成する.すなわち,生体内において免疫系と骨代謝系は,強く影響を及ぼし合うことがわかってきた.逆に,免疫系や免疫関連因子を標的とした治療は,免疫異常の制御とともに,骨代謝異常の是正を促す可能性が示唆される.
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