Japanese
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特集 社会性と脳
マーモセットの社会行動と神経基盤
Neural basis for social behavior in marmosets
尾上 浩隆
1
Onoe Hirotaka
1
1京都大学大学院医学研究科神経生物学
キーワード:
向社会性
,
利他的行動
,
音声コミュニケーション
,
顔認知
,
視線
Keyword:
向社会性
,
利他的行動
,
音声コミュニケーション
,
顔認知
,
視線
pp.48-50
発行日 2018年2月15日
Published Date 2018/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425200753
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複雑なヒトの社会的認知とコミュニケーションの根底にある神経メカニズムや精神神経障害などの社会行動異常を伴う疾患の病態を解明するためには,社会的類似性とその基礎となる神経生物学的メカニズムを持った非ヒト霊長類であるサルを用いた研究が重要である。小型で繁殖効率の高いサルであるコモンマーモセット(Callithrix jacchus)は,遺伝子編集技術によるトランスジェニックのモデルの作製が可能になるなど,神経科学研究の将来のための強力なモデルとして注目を集めている1)。霊長類の社会的行動は,化学的および嗅覚的シグナルよりもむしろ視覚や音響的なコミュニケーションに強く依存する。このレビューでは,マーモセットの社会行動の特徴とその重要な側面である音声と視覚のコミュニケーションの神経基盤について解説し,マーモセットがヒト社会行動の有用なモデルであることを紹介する。
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