書評
ナラティブな組織学の魅力「標準組織学 各論 第5版」藤田 尚男,藤田 恒夫●原著 岩永 敏彦,石村 和敬●改訂
藤本 豊士
1
1名大大学院・分子細胞学
pp.371
発行日 2017年8月15日
Published Date 2017/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425200649
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「藤田・藤田の組織学」という名で親しまれてきた名著『標準組織学 各論』の第5版が,装いも新たにして出版された。原著者であるお二人の藤田先生の薫陶を受けられた岩永敏彦先生(北大教授)と,石村和敬先生(徳島大名誉教授)の手になる労作である。
組織学は人体を構成する臓器や組織の構造を知るために,主に光学顕微鏡を使って,さまざまな細胞がどのように配置されているかを調べ,臓器や組織の生理機能を支える構造を学ぶ学問である。当然のことながら,組織学がカバーする範囲は人体の隅々にまで及び,含まれる情報量は膨大なものになる。多くの科目が詰め込まれている医学部・歯学部の6年の学部教育課程の中で,組織学をどのように学んだらよいか? 世の中に出回っている教科書のスタンスは,2つに分かれるようである。
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