増大特集 病態バイオマーカーの“いま”
Ⅳ.炎症・線維化
LRG(leucine rich alpha 2 glycoprotein)と自己免疫疾患
世良田 聡
1
,
仲 哲治
1
Serada Satoshi
1
,
Naka Tetsuji
1
1医薬基盤・健康・栄養研究所免疫シグナルプロジェクト
キーワード:
LRG
,
自己免疫疾患
,
関節リウマチ
,
RA
,
炎症性腸疾患
,
潰瘍性大腸炎
Keyword:
LRG
,
自己免疫疾患
,
関節リウマチ
,
RA
,
炎症性腸疾患
,
潰瘍性大腸炎
pp.444-445
発行日 2016年10月15日
Published Date 2016/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425200509
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近年,サイトカインやその受容体を標的とした様々な抗体医薬品が臨床で使用されており,関節リウマチやクローン病,潰瘍性大腸炎など多くの自己免疫疾患において極めて優れた治療効果を発揮し,治療方針も対症療法から臨床的寛解と寛解維持へシフトしつつある。一方で,治療効果を客観的に評価できるバイオマーカーがないことが多いため,バイオマーカーの開発が必要とされている。筆者らが同定したleucine-rich α-2 glycoprotein(LRG)は,IL-6非依存的な発現誘導機序も有する血清タンパク質である。そのため,IL-6阻害療法時の関節リウマチのみならず,CRPが有効なマーカーとならない潰瘍性大腸炎においても疾患活動性と相関するため,新たな疾患活動性マーカーとしての臨床応用が期待される。
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