増大特集 病態バイオマーカーの“いま”
Ⅳ.炎症・線維化
サイトカインとCOPD
木下 隆
1
,
坂﨑 優樹
1
,
松岡 昌信
1
,
徳永 佳尚
1
,
星野 友昭
1
Kinoshita Takashi
1
,
Sakazaki Yuki
1
,
Matsuoka Masanobu
1
,
Tokunaga Yoshihisa
1
,
Hoshino Tomoaki
1
1久留米大学医学部内科学講座呼吸器神経膠原病内科部門
キーワード:
COPD
,
炎症性サイトカイン
,
IL-18
,
IL-1ファミリー
Keyword:
COPD
,
炎症性サイトカイン
,
IL-18
,
IL-1ファミリー
pp.442-443
発行日 2016年10月15日
Published Date 2016/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425200508
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慢性閉塞性肺疾患(COPD)は,吸入されたタバコ煙などの有害物質を長期に曝露することで生じる肺の炎症性疾患である。COPDの発症,進展のメカニズムは,酸化ストレスおよび肺における過剰なプロテアーゼの発現によって,炎症反応が更に増強され,気腫性病変などの特徴的な病理学的変化が引き起こされる。これらは,プロテアーゼ・アンチプロテアーゼ不均衡説,またはオキシダント・アンチオキシダント不均衡説で提唱されてきた。近年,COPDは肺の炎症のみならず全身性炎症が存在し,様々なサイトカインを含めた炎症性メディエーターの上昇が認められる。全身性炎症の発症機序として,肺で産生された炎症性サイトカインの“spillover”が想定されている。このように,COPDの病態には深くサイトカインが関与していることが推測される1)(図)。本稿では,COPDに関与するサイトカイン,特に炎症性サイトカインインターロイキン(interleukin;IL)-18を中心に,筆者らの研究も含めて解説する。
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