今月の主題 酸化ストレスマーカーと疾患・病態
酸化ストレスと注目される病態
酸化ストレスと自己免疫疾患
熊谷 俊一
1
,
辻 剛
1
,
栗本 千代
1
Shunichi KUMAGAI
1
,
Gou TSUJI
1
,
Chiyo KURIMOTO
1
1神戸大学大学院医学系研究科生体情報医学講座臨床病態・免疫学
キーワード:
自己免疫疾患
,
チオレドキシン
,
関節リウマチ
,
シェーグレン症候群
Keyword:
自己免疫疾患
,
チオレドキシン
,
関節リウマチ
,
シェーグレン症候群
pp.170-176
発行日 2005年2月15日
Published Date 2005/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542100112
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〔SUMMARY〕 自己免疫疾患の発症や増悪の環境因子として,感染・紫外線・妊娠分娩・寒冷などが知られているが,これらの多くは酸化ストレスとして作用する.関節リウマチやシェーグレン症候群において炎症局所でのチオレドキシンの異常発現が示され,病態形成への酸化ストレスの関与が確認された.活性酸素は炎症の増強や組織障害とともに,自己抗原の修飾や免疫担当細胞への影響を通じて自己免疫応答を誘導する.発症や再燃の予防,さらには抗酸化物質などによる新しい治療法開発へと結びつくことが期待される.〔臨床検査 49:170-176,2005〕
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