増大特集 生命動態システム科学
Ⅲ.合成生物学
1.人工細胞
(5)MEMS技術を用いた膜輸送計測デバイス
外岡 大志
1
,
大崎 寿久
2
,
竹内 昌治
1,2
Tonooka Taishi
1
,
Osaki Toshihisa
2
,
Takeuchi Shoji
1,2
1東京大学生産技術研究所
2神奈川科学技術アカデミー
pp.500-501
発行日 2014年10月15日
Published Date 2014/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425200059
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■細胞膜を介した物質輸送
細胞や細胞内小器官を覆っている細胞膜は,主にその内外を隔てる役割を有する“脂質二重膜”と,膜を介した物質輸送や情報伝達を担う“膜タンパク質”から構成されている。この細胞膜を介した物質輸送は細胞内外のイオン濃度の調節や,外部刺激への応答に必須の機能であり,生命活動の維持において重要な位置を占めている。このため,膜タンパク質の機能不全による物質輸送の異常は様々な疾患を引き起こす。一方で,現在開発されている薬剤の約60%は膜タンパク質を標的にしていると言われており,膜タンパク質の輸送機能計測は疾患の原因究明から創薬まで幅広い分野において必要とされている。しかし,膜タンパク質は脂質二重膜に埋め込まれた状態であることが活性維持に重要であるため,細胞外でその輸送機能を計測するためには,脂質二重膜と膜タンパク質を同時に再構成できる技術を開発する必要があった。
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