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特集 細胞極性の制御
普遍的細胞極性制御システム:PAR-aPKCシステムの作用機構
Ubiquitous cell polarity-regulating system:The mode of action of the PAR-aPKC system
鈴木 厚
1
Atsushi Suzuki
1
1横浜市立大学 学術院 分子生命医科学
pp.189-195
発行日 2012年6月15日
Published Date 2012/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425101283
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様々な細胞の示す多様な“非対称性(極性)”が,進化的に保存されたPAR-aPKCシステムによって普遍的に制御されているという事実が確認されてから早や10年近くが経過する。見かけ上まったく異なる細胞の非対称性(極性)が,その本質的な部分で共通の分子基盤を持っていることを示したこの発見の意義は大きい。すでにこのPAR-aPKCシステム内部の作動原理の解明はほぼ終了しており,近年の研究の多くは,PAR-aPKCシステムが異なる細胞極性をいかに制御しているのか,その具体的な分子メカニズムの解明にその中心を移してきている。本稿では,PAR-aPKCシステムの作用機構に関する研究の今日的到達点を,われわれが主として研究してきた哺乳動物上皮細胞の極性形成・維持の機構を中心に概観したいと思う。
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