Japanese
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特集 細胞極性の形成機序
哺乳動物上皮細胞の極性形成とプロテインキナーゼ―aPKC
Critical roles of atypical PKC in the establishment of mammalian epithelial cell polarity
鈴木 厚
1
,
大野 茂男
1
Atsushi Suzuki
1
,
Shigeo Ohno
1
1横浜市立大学医学部第二生化学教室
pp.96-102
発行日 2000年4月15日
Published Date 2000/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425902099
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われわれの研究室では,プロテインキナーゼC(以下PKC)の研究を長年進めてきたが,近年,PKC分子種の一つであるaPKC(atypical PKC)の特異的結合タンパク質を検索する中で,線虫初期胚の非対称分裂に必須なタンパク質PAR3に非常によく似た分子を同定した1)。そして,この発見を契機として,それまで細胞増殖シグナル系などにおける役割が中心に研究が進めてられてきたこのaPKC分子種に関して,実は細胞極性の形成において決定的な役割を果たしているという,予想もしていなかった事実が明らかとなってきた。本稿では,最近得られた「哺乳動物上皮細胞の極性形成過程におけるaPKCの役割」に関する知見(鈴木ら,現在投稿中)を中心に,この新たに浮き彫りとなってきたaPKC-PARシステムについて紹介したいと思う。
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