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特集 小脳研究の課題(2)
TMSによる小脳研究―現状とその将来性
Research on the cerebellum using TMS:past,present,and future
代田 悠一郎
1
,
寺尾 安生
1
,
宇川 義一
2
Yuichiro Shirota
1
,
Yasuo Terao
1
,
Yoshikazu Ugawa
2
1東京大学 医学部 神経内科
2福島県立医科大学 神経内科
pp.42-50
発行日 2012年2月15日
Published Date 2012/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425101258
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経頭蓋磁気刺激法(transcranial magnetic stimulation:TMS)は1985年にBarkerらにより初めて報告された非侵襲的脳刺激法である1)。TMSを用いた研究の利点は特定のヒト脳部位を非侵襲的に刺激できることにあり,画像研究その他にはない情報を得ることができる。さらに,反復経頭蓋磁気刺激(repetitive TMS:rTMS)を行うことにより長期増強や長期抑圧に類似する大脳興奮性変化が生じることも知られており,神経・精神疾患の治療応用という点からも注目されている。現状ではTMS研究の多くは大脳皮質に関するものであり,小脳に対するTMSにおいては大脳皮質に対するTMSとは異なる配慮が必要な面がある。本稿ではまず小脳へのTMSの特徴を述べ,次いで,これまでに蓄積されてきたTMSによる小脳刺激検査の知見を一次運動野(M1)興奮性との関連を中心に議論する。最後に,将来の展望という点から治療応用についても言及する。
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