特集 細胞核―構造と機能
5.染色体
キネトコアと微小管の結合を制御するタンパク質CAMP
田中 耕三
1
Kozo Tanaka
1
1東北大学 加齢医学研究所 分子腫瘍学研究分野
pp.468-469
発行日 2011年10月15日
Published Date 2011/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425101212
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ここ10年ほどの間にキネトコアを構成する分子は急速に明らかになりつつあり,その多くが酵母からヒトまで種を超えて保存されていることがわかってきた1)。また,これらの分子によるキネトコアの基本的な構造もかなり理解されてきている2)。その一方でキネトコアに存在する新たな分子が現在も次々に報告されている。そのあるものはスクリーニングにより同定され,また,これまで他の機能で知られていた分子がキネトコアに局在することが明らかになった例もある。これらの分子にはヒトなどの高等真核生物でのみ存在するものも多く,より複雑な染色体分配制御に機能しているものと考えられる。われわれは最近,染色体分配に関与する新規分子CAMPを発見した3)。CAMPは脊椎動物にのみ存在し,キネトコアと微小管の結合の維持に必要であることが明らかになった。ここでは新たなキネトコアタンパク質としてのCAMPの特徴と機能を紹介する。
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