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特集 筋ジストロフィーの分子病態から治療へ
筋サテライト細胞の分子基盤
Molecular basis of muscle satellite cell
渡部 秀一
1
,
朝倉 淳
1
Shuichi Watanabe
1
,
Atsushi Asakura
1
1Stem Cell Institute, University of Minnesota Medical School
1Stem Cell Institute, University of Minnesota Medical School
pp.151-156
発行日 2011年4月15日
Published Date 2011/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425101131
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成体の組織には,組織の再生修復に関与している幹細胞が存在していることが知られている。生後の骨格筋中には,細胞分裂休止状態にある骨格筋の幹細胞であるサテライト細胞(筋衛星細胞)が存在し,生後の筋肉の成長および再生に関与している。自己複製能を持つサテライト細胞は,筋肉トレーニング・筋破壊などの刺激によって活性化され,細胞分裂状態にある筋前駆細胞に移行し,最終的には分裂を止め,互いに融合し,多核の筋管細胞に分化し新たな筋形成を行う。分化した筋管細胞は成熟して筋線維となり,筋再生を行う。このときに一部の筋前駆細胞は融合することなく単核の細胞の状態を維持し,最終的にはサテライト細胞に戻る(自己複製)。この稿では,サテライト細胞の分化・自己複製・筋疾患についての分子基盤に関して,最新の知見を含めて概説する。
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