特集 シナプスをめぐるシグナリング
                        
                        
                
                  
                  
              
              
              
                  
                  
                  
                  
                            
                                    7.キナーゼ/ホスファターゼ
                                    
                                    
                                    
                            
                            
                
                
                
                            
                            
                  
                            
                                
                            
                        
                
                
                
                            
                        
                
                
                            
                            
                            
                  
                            
                                    
                                    神経系におけるMEK1/2の機能
                                    
                                    
                            
                            
                        
                
                
                            
                            
                                
                                    
                                        
                                            
                                                佐藤 泰司
                                            
                                            1
                                        
                                        
                                        
                                        
                                            ,
                                        
                                    
                                    
                                        
                                            
                                                遠藤 昌吾
                                            
                                            2
                                        
                                        
                                        
                                        
                                            
                                        
                                    
                                
                                
                                    
                                        
                                            
                                                Yasushi Satoh
                                            
                                            1
                                        
                                        
                                        
                                        
                                            ,
                                        
                                    
                                    
                                        
                                            
                                                Shogo Endo
                                            
                                            2
                                        
                                        
                                        
                                        
                                            
                                        
                                    
                                
                            
                        
                
                
                
                
                  1防衛医科大学校 麻酔科
                
                
                  2東京都健康長寿医療センター研究所 老化制御研究チーム
                
                
                
                
                
                
                
                
                
                
                            
                            
                        
                
                            
                            
                        
                
                pp.462-463
                
                
                
                  発行日 2010年10月15日
                  Published Date 2010/10/15
                
                
                
                DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425101049
                
                - 有料閲覧
- 文献概要
- 参考文献
MEK(MAPK/ERK kinase)1/2はERK1/2のみを基質とするMAPキナーゼキナーゼである。dual specificityキナーゼであるMEK1/2は,ERK1/2のPループ上のThrとTyrの両アミノ酸残基をリン酸化して活性化する。このMEKの特異な性質は,基質ERK1/2が他のキナーゼにより活性化される危険性を回避し,MEK-ERK経路の特異性を高めている。MEK1とMEK2は80%のアミノ酸相同性を持つ。MEK1遺伝子欠損マウスは胎盤の血管形成異常により胎生致死であるが1),MEK2遺伝子欠損マウスには大きな異常は観察されない。そのため,MEK1とMEK2の生理機能が異なる可能性が示唆されている。炭疽菌が産生する毒素(プロテアーゼ)は,MEK1/2のアミノ末端側に位置するERK1/2との結合領域内を切断する。このためMEK1/2とERK1/2との結合が阻害され,MEK1/2-ERK1/2経路が遮断される。炭疽菌は組織の出血性壊死を引き起こし,病巣を炭色に変色させるが,これが炭疽病の病名の由来である。
Copyright © 2010, THE ICHIRO KANEHARA FOUNDATION. All rights reserved.


