特集 伝達物質と受容体
1.アミノ酸
抑制性
小脳核のGABAA受容体
坂本 敏郎
1
,
遠藤 昌吾
1
Toshiro Sakamoto
1
,
Shogo Endo
1
1沖縄科学技術研究基盤整備機構
pp.380-381
発行日 2009年10月15日
Published Date 2009/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425100881
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[用いられた物質/研究対象となった受容体]
ムシモール,ピクロトキシン/GABAA受容体
●小脳核のGABAA受容体
感覚情報や大脳で処理された情報は,脳幹を経由して小脳皮質と小脳核にそれぞれ入力する。脳幹から小脳への全ての入力は興奮性であるが,小脳皮質のプルキンエ細胞から小脳核への入力は抑制性であり,GABA(γ-aminobutyric acid)がその伝達を担っている。それゆえ,小脳皮質からの入力を受けとる小脳核のGABAA受容体の生理的機能は,個体における小脳の機能を理解する上で極めて重要である。小脳核にはCl--透過型のGABAA受容体が存在している。
GABAA受容体は5個のサブユニットから構成されている。サブユニットは数種類存在し,さらに,それぞれのサブユニットにアイソフォームが存在する。これらのサブユニットの組み合わせによりGABAA受容体の特性が決定される。GABAA-ρ受容体(GABAC受容体)を構成するρサブユニットを含め多くのGABAAサブユニットが小脳に存在し,小脳核では主要サブユニットであるα,β,γの存在が明らかにされている。
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