特集 miRNA研究の最近の進歩
特集「miRNA研究の最近の進歩」に寄せて
伊庭 英夫
1
1東京大学医科学研究所
pp.288-289
発行日 2010年8月15日
Published Date 2010/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425100998
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1990年代初頭に線虫でmicroRNA(miRNA)が発見されて以来,多くの多細胞生物でmiRNAが見出され,ヒトでは,現在1000種余りのmiRNAが記述されるに至っている。miRNAとはnoncoding RNAの一種で,多くの場合,通常のcoding遺伝子と同様にRNA polymerase Ⅱによりゲノムから転写をされ,その一次転写産物であるpri-miRNAから最終的には21塩基前後の一本鎖RNAである成熟miRNAが作られる。このmiRNAは単独で機能するのではなく,いくつかのタンパク質とRNA-induced silencing complex(RISC)と呼ばれる複合体を形成し,自身と相補的な配列をもつ標的mRNAの翻訳の抑制や不安定化を誘導してその発現を負に制御する。
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