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特集 SNARE複合体-膜融合の機構
ファゴサイトーシスにおけるSNAREタンパク質の関与
The role of SNARE proteins in phagocytosis
初沢 清隆
1
Kiyotaka Hatsuzawa
1
1福島県立医科大学 医学部附属生体情報伝達研究所 細胞科学研究部門
pp.216-221
発行日 2010年6月15日
Published Date 2010/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425100987
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ファゴサイトーシスは樹状細胞やマクロファージなどの食細胞に見られる外来異物やアポトーシス細胞の取り込み(貪食)反応であり,生体防御やホメオスタシス維持などに重要な役割を果たす1,2)。一般的なエンドサイトーシスとは異なり,比較的大きな(0.5μm以上)ものを対象とする点,また脂質二重膜で包むように取り込み袋状のファゴソームを形成する点に特徴がある。このファゴサイトーシス反応は大きく「ファゴソームの形成」と「ファゴソームの成熟」の二つの素過程から成る。これらは様々な膜融合を伴い進行することから,膜融合装置であるSNAREタンパク質の関与が予想され,近年,明らかにされつつある3)。本稿では,これまでに報告されているファゴサイトーシス反応に機能するSNAREタンパク質について概説する。
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