Japanese
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特集 SNARE複合体-膜融合の機構
インスリン分泌におけるSNARE複合化
SNARE assembly for insulin secretion
高橋 倫子
1
,
大野 光代
1
,
河西 春郎
1
Noriko Takahashi
1
,
Mitsuyo Ohno
1
,
Haruo Kasai
1
1東京大学大学院 医学系研究科 疾患生命工学センター 構造生理学部門
pp.222-226
発行日 2010年6月15日
Published Date 2010/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425100988
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分泌を惹起する数ある素過程のうち,SNARE分子の複合化は分泌顆粒の細胞膜への係留過程や膜融合反応に関与すると推察されてきた。しかし,いかなる時間経過で複合化がおこり,各過程に関連するのか,不明な点が多く残っている。解析が困難であった要因に,1)開口放出の起こる時間的・空間的密度の小ささ,2)組織に発現するSNARE分子のうち,開口放出現象で作用する割合の小ささ,などがあげられる。本稿では,血糖降下作用にかかわる膵内分泌系において,SNAREの複合化に関する文献報告をまとめるとともに,最近筆者らが取り組んでいる分泌組織における複合化の測定系について記述する。
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