特集 伝達物質と受容体
3.アミン
ヒスタミン
ヒスタミンH1,H2受容体遺伝子欠損マウスの作製と意義
谷内 一彦
1
,
赤池 紀生
2
Kazuhiko Yanai
1
,
Norio Akaike
2
1東北大学大学院医学系研究科機能薬理学分野
2熊本保健科学大学 ライフサイエンス研究部門
pp.442-443
発行日 2009年10月15日
Published Date 2009/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425100910
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ヒスタミン(HA)が1910年に発見されて以来,数多くの報告がある。1991年にHAのH1受容体がクローニングされた後H2,H3,H4受容体遺伝子もクローン化された。欠損マウスの開発以前はHA機能は一般薬理学的手法で行われてきたが,渡辺武らによりH1,H2受容体遺伝子欠損マウスが初めて作製されると,HA研究に新たな展開が生じた1,2)。現在,H1,H2,H3,H4受容体とHA合成酵素であるHDCの遺伝子改変マウスが作製されており,報告されているHA関連遺伝子欠損マウスには,1)H1,H2,H3やH4受容体欠損マウス,2)H1/H2受容体ダブル欠損マウス,3)H1/H3受容体ダブル欠損マウス,4)H1/H2/H3受容体トリプル欠損マウス,5)ヒスチジン脱炭酸酵素(HDC)欠損マウスがあり,これらを用いた機能研究が活発に行われている。よってHA受容体欠損マウスの意義について述べる。
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