特集 伝達物質と受容体
3.アミン
セロトニン
中隔核における5-HT1B受容体の役割
蓮尾 博
1
,
赤須 崇
1
Hiroshi Hasuo
1
,
Takashi Akasu
1
1久留米大学医学部生理学講座統合自律機能部門
pp.430-431
発行日 2009年10月15日
Published Date 2009/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425100904
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セロトニンは情動,認知,攻撃性,食欲,睡眠,呼吸その他の様々な生理学的,行動学的機能に関与している。さらにうつ病,強迫性障害,不安障害などの神経精神疾患の治療薬はセロトニン神経系を介して作用していると考えられるものも多い。中隔核は大脳辺縁系に属し,海馬や扁桃体と密接な関係にあり,視床下部や脳幹とも神経連絡があることなどから,自律神経の上位中枢として働いていると考えられている。ここには脳幹の縫線核からセロトニン作動性ニューロンの入力があり,自律神経機能や情動の形成に深く関わっていると思われる。背外側中隔核(dorsolateral septal nucleus:DLSN)ニューロンにおけるこれまでの研究で,セロトニンは種々の5-HT受容体サブタイプを活性化させてシナプス伝達の修飾をしていることが明らかとなった。本稿では,DLSNにおける5-HT1受容体(5-HT1A,5-HT1B),特に抑制性シナプス伝達の5-HT1B受容体を介する修飾作用について概説する。
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