Japanese
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特集 ラフトと細胞機能
アミロイド前駆体蛋白質とラフト
Amyloid precursor protein and lipid rafts
櫻井 隆
1
,
貫名 信行
2
Takashi Sakurai
1
,
Nobuyuki Nukina
2
1理化学研究所脳科学総合研究センター神経変性シグナル研究チーム
2理化学研究所脳科学総合研究センター構造神経病理研究チーム
pp.291-296
発行日 2003年8月15日
Published Date 2003/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425100761
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Alzheimer病発症に重要な役割を果たすアミロイドβペプチド(Aβ)は,アミロイド前駆体蛋白質(APP)からβおよびγセクレターゼという2種のプロテーゼの切断により生じるが1),ラフトはAPPとβ,γセクレターゼの相互作用,Aβ産生の場として重要であると考えられている2)。最近,APPはキネシンⅠと結合し軸索輸送顆粒とキネシンⅠをつなぐアンカーとして働くことが示された。同じ顆粒にβ,γセクレターゼが結合しており,単離した顆粒でのAβ産生に伴ってキネシンⅠが遊離することから3),APP代謝と輸送制御が関連する可能性もある。ラフトが小胞輸送のソーティングに関与していると考えられていることから4),APPが関与する軸索輸送,APP代謝とラフトの関連について議論したい。
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