Japanese
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連載講座 個体の生と死・29
青年中期の対人関係の発達
Adolescent relations with parents and friends
後藤 宗理
1
Motomichi Goto
1
1名古屋市立大学大学院人間文化研究科発達心理学研究室
pp.77-81
発行日 2004年2月15日
Published Date 2004/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425100673
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Ⅰ. 青年期の心理社会的危機
最初に青年期に注目した研究者はHall1)である。約100年前に社会の産物として大人でもなく子どもでもない中間的な存在として青年期をとりあげるようになった。その意味では,青年は社会のなかであいまいな立場に置かれてきたことが特徴である。
青年期についての代表的な理論家として,Erikson2)をあげることができる。これまでにも本誌連載講座3)のなかでEriksonの心理社会的危機や漸成的図式が取り上げられているように,彼は人生を八つの段階に分け,それぞれの時期に解決すべき課題をあげてきた。青年期の心理社会的危機は「同一性 対 同一性拡散(あるいは役割の混乱)(Identity versus Identity Diffusion)」である。
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