Japanese
English
特集 脳の深部を探る
視床下部の摂食調節ニューロン―分布・局在・神経ネットワークについて
Feeding-regulating neurons in the hypothalamus: distribution,localization and neuron network
北 徹朗
1
,
影山 晴秋
1
,
竹ノ谷 文子
1
,
塩田 清二
1
Tetsuro Kita
1
,
Haruaki Kageyama
1
,
Fumiko Takenoya
1
,
Seiji Shioda
1
1昭和大学医学部第一解剖学教室
pp.615-620
発行日 2004年12月15日
Published Date 2004/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425100658
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中枢における摂食調節およびエネルギー代謝調節は,主に視床下部で行われている。視床下部には摂食中枢である外側視床下部lateral hypothalamus(LH)と満腹中枢である腹内側核ventromedial hypothalamus(VMH)が存在する。また,摂食・満腹の両機能を併せ持つ弓状核arcuate nucleus(ARC)が存在し,主にこの三つの神経核で摂食やエネルギー代謝調節にかかわる情報がコントロールされていると考えられる。最近,新規摂食調節物質が相次いで同定され,脳内における摂食調節機構の研究は急速に進展している(表1)。
本稿では,摂食調節に作用する神経ペプチドのうち特に重要であると考えられているニューロペプチドY(NPY),プロオピオメラノコルチン(POMC),グレリン,オレキシン,ガラニン様ペプチド(GALP)の視床下部における分布・局在およびそれらの機能を概説する。摂食機能調節に関わるニューロンについての理解を深めていただければ幸いである。
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