特集 タンパク・遺伝子からみた分子病―新しく解明されたメカニズム
5.輸送系
ATP結合カセットトランスポーターサブファミリーAメンバー12(ABCA12)
山中 快子
1
,
秋山 真志
1
,
清水 宏
1
Yasuko Yamanaka
1
,
Masashi Akiyama
1
,
Hiroshi Shimizu
1
1北海道大学大学院医学研究科皮膚科学
pp.452-453
発行日 2005年10月15日
Published Date 2005/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425100467
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今回われわれは,重篤な角化異常疾患である道化師様魚鱗癬(harlequin ichthyosis;HI)が膜タンパク質であるABCA12の遺伝子異常により引き起こされることを明らかにした1)。ABCA12はATP-binding cassette(ABC)トランスポーターに属し,二つの細胞外ドメインと12ヵ所の膜貫通領域,二つのATP結合領域をもつ。近年,生体内での脂質輸送にABCトランスポーターが重要な役割を果たしていることが明らかにされつつある。皮膚において,角質細胞間に存在する脂質は水分保持やバリア機能の維持に不可欠であるが,その輸送システムについてはいまだ明らかでない。皮膚の細胞間脂質輸送に関して,ABCA12は非常に重要な役割を果たしていると考えられ,今後,その詳しいメカニズムの解明が期待される。
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