特集 タンパク・遺伝子からみた分子病―新しく解明されたメカニズム
4.受容体
成長ホルモン受容体(GHR)
南 史朗
1
,
中田 朋子
1
Shiro Minami
1
,
Tomoko Nakata
1
1日本医科大学大学院生体機能制御学分野
pp.428-429
発行日 2005年10月15日
Published Date 2005/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425100456
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成長ホルモン(GH)分泌と成長ホルモン受容体(GHR)
下垂体からのGHの分泌は,視床下部ホルモンであるGH分泌促進因子とソマトスタチンによって調節を受け,それらは神経性因子や代謝性因子,あるいはフィードバック調節による修飾を受ける。GHの分泌は拍動的であり,ヒトでは1日に数回の分泌サージがある。GHは生後の成長を調節するとともに,脂質代謝や糖代謝においても重要な役割を担っている。
GHRは1回膜貫通型の蛋白で,cytokine/hematopoietin受容体ファミリーに属する。GHR遺伝子はヒトでは第5染色体短腕(5p13-p12)に位置し,10のエクソンからなる。GHRは620アミノ酸からなり,246アミノ酸からなる細胞外領域と24アミノ酸からなる膜貫通領域と350アミノ酸からなる細胞内領域がある。ヒトをはじめ霊長類では蛋白分解によって細胞外領域が切断されてGH結合蛋白(GHBP)が作られる1)。
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