特集 生物進化の分子マップ
7.リボソーム
16S rDNAを指標としたヒト腸内常在菌叢の系統解析
辨野 義己
1
Yoshimi Benno
1
1理化学研究所バイオリソースセンター・JCM
pp.386-388
発行日 2006年10月15日
Published Date 2006/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425100275
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ヒトの腸内には多様な細菌が常在し,複雑な常在菌叢を形成し,その大部分が偏性嫌気性菌(酸素のあるところでは生育できない細菌)である。1950年代初頭より,嫌気培養技術の確立・応用により,腸内常在菌叢を構成する大部分の菌種・菌株が偏性嫌気性菌であることが知られるようになった。これによって,それまで解明され得なかった常在菌叢の菌群構成の一部が明らかとなり,ヒトの健康,老化,疾病などとの関係も明らかにされてきた。21世紀に入り,これまでの培養可能な腸内常在菌の解析から16S rRNA遺伝子を指標とした手法を用いて培養困難な未知の腸内常在菌を含む系統解析が行われ,ようやくその全貌が見えてきた。
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