測定法の基礎理論 なぜこうなるの?
常在菌叢
高橋 昭三
1
1結核予防会結核研究所細菌血清学研究科
pp.23-27
発行日 1978年1月1日
Published Date 1978/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543201538
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ヒトの皮膚と粘膜の表面には,常に種々の微生物が認められる.これらは2群に大別できる.策一の菌群は,その部位でほぼ常に多数認められ,そこで増殖,生存しており,定住菌と言われる,第二の菌群は,病原菌,非病原菌など種々で,数時間から数週間,その部位にごく少数認められ,通過菌と呼ばれている.定住菌と通過菌は,その動態を調べたときに区別できるが,その部位由来の検体を調べるときは区別できないので,両菌群を合わせて常在菌叢と言っている.このメンバーと宿主とは,その部位で生物学的平衡が維持され,むしろ常在菌叢があることで,宿主は生理的にも正常の状態が維持されている.
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