今月の主題 常在菌
総説
上気道常在菌叢とその意義
草野 展周
1
,
斎藤 厚
2
Nobuchika KUSANO
1
,
Atsushi SAITO
2
1琉球大学医学部附属病院検査部
2琉球大学医学部第一内科
キーワード:
上気道
,
常在菌叢
,
呼吸器感染症
Keyword:
上気道
,
常在菌叢
,
呼吸器感染症
pp.528-532
発行日 1994年5月15日
Published Date 1994/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542901962
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上気道は鼻腔,副鼻腔,咽頭,喉頭から構成されている部位であり,通常,副鼻腔と喉頭を除く部位には常在菌叢が認められる.鼻腔の常在菌は皮膚の常在菌と類似しているが,咽頭の常在菌は口腔内常在菌と同じような細菌で構成されている.常在菌叢は外因性の病原菌からの防御的働きを持っており,常在菌叢の攪乱が疾患の原因になるが,常在菌叢自体が疾患の原因になる場合も多い.特に呼吸器感染症の起炎菌として重要なS.pneumoniaeやH.influenzaeなどが含まれており,起炎菌と汚染菌との区別が臨床上重要な問題になる.
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