今月の主題 感染症
技術解説
腸内常在菌叢
光岡 知足
1
1理化学研究所動物薬理学研究室
pp.322-334
発行日 1979年4月15日
Published Date 1979/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542915064
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腸内は多種多様の細菌が共生・拮抗し合う複雑な栄養的条件と強い嫌気的条件を持った環境であって,普通の方法では培養し難い細菌が優勢菌叢を構成し棲息している.このような腸内菌叢を検索してありのままの姿を知るためには,検体の採取,輸送,希釈,接種などすべての操作中に菌が死滅することのないよう留意し,培地としては,非選択培地と選択培地を併用し,前者によって最優勢菌種を余すところなく培養し,後者によって既によく知られた菌種が腸内に少数しか存在しないため非選択培地では優勢菌叢に隠されてしまうような場合,選択的に培養し,これらの結果を総合して菌叢のパターンを決める.培養法には高度な嫌気培養も加える必要がある.
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