特集 生物進化の分子マップ
6.核
AP2多重遺伝子ファミリーの分子進化
伊藤 元己
1
,
執行 美香保
1
Motomi Ito
1
,
Mikao Shiko
1
1東京大学大学院総合文化研究科広域システム科学系
pp.380-381
発行日 2006年10月15日
Published Date 2006/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425100272
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AP2ドメインはおよそ70のアミノ酸残基からなり,植物に特有である。AP2ドメインを含む遺伝子は転写調節因子であると推定されており,AP2/EREBP多重遺伝子ファミリー(以下はAP2ファミリー)を構成し,シロイヌナズナのゲノム中には144個が含まれる1,2)。AP2ファミリーは,一つのAP2ドメインをもつエチレン応答結合タンパク質(EREBP)サブファミリーと,二つのAP2ドメインをもつAP2サブファミリーに分類される。EREBPサブファミリーのほとんどは,環境応答のシグナル伝達系で機能している1)。AP2サブファミリーは二つのグループAP2とANTに分けられ3),花のホメオティック遺伝子であるAPETALA2(AP2)4)と,細胞の数と成長を制御し,側部の器官発生に関わるAINTEGUMENTA(ANT)5,6)が含まれる。
AP2ファミリーの系統解析は,植物の発生および生理的に重要な遺伝子群の進化を考える上で重要であり,われわれは新たにコケ植物と裸子植物から遺伝子を単離し,分子系統解析を行った。
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