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世界初のコンピュータは1946年に作られたENIAC(Electronic Numerical Integrator and Computer)であるといわれている。これは,電子デバイスを用いた汎用的にプログラムできる計算装置という意味であり,計算を自動化する機械装置という意味でのコンピュータは17世紀頃すでに作られている。ENIACの後登場したEDSAC(1949)やEDVAC(1952)といったコンピュータは,2進数で計算を行い,プログラムとデータを共にメモリに置くプログラム内蔵方式を採用したが,これをノイマン型コンピュータと呼び,現代のコンピュータのほとんどがこの方式を踏襲している。コンピュータアーキテクチャ1-5)の基本はこの時代に決まったといっても過言ではない。
これら初期のコンピュータは電子デバイスとして真空管を用いており,その発熱の大きさや壊れやすさが問題となっていたが,やがて新しく登場したトランジスタなどの半導体が用いられるようになり,信頼性と動作速度の向上,消費電力の低減,小型化などが劇的に実現した。半導体はやがて集積化され,より省電力,コンパクトな電子デバイスへと進化を遂げていく。今日までのコンピュータの劇的な性能向上の原動力は半導体の製造技術のめざましい進歩であり,コンピュータアーキテクチャは年々向上する半導体の性能をいかに生かし切るかをテーマに進歩してきたといえる。
本稿では,まずこれらノイマン型コンピュータの動作の仕組みを簡単に解説し,半導体の製造技術の進歩によってコンピュータアーキテクチャにどのような改良が施されてきたのか,その重要な要素的技術を取り上げる。そして,最近の技術の動向について解説する。
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