特集 タンパク質間相互作用
2.分子進化
タンパク質間相互作用がタンパク質分子の進化に与える影響
牧野 能士
1
,
五條堀 孝
2
Takashi Makino
1
,
Takashi Gojobori
2
1Smurfit Institute of Genetics, Trinity College, Ireland
2国立遺伝学研究所生命情報・DDBJ研究センター
pp.348-351
発行日 2007年10月15日
Published Date 2007/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425100061
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タンパク質の進化を特徴づけるのによく用いられるのは,進化速度である。進化速度は,たとえば100万年などの単位時間当たりに,アミノ酸が何個置換されるかというアミノ酸置換速度によって示される。これは,タンパク質やその部分領域の機能的な制約が厳しければ厳しいほど,そのアミノ酸配列が置換されにくいことによる。最近になってようやく,タンパク質間の相互作用を網羅的に明らかにすることができるようになり,相互作用もタンパク質の機能的制約を決める重要な要素であることがだんだんわかってきた。タンパク質間相互作用は,相互作用する相手のタンパク質(パートナータンパク質)も関与することから,状況はさらに複雑になるものの,進化速度を調べればタンパク質の進化との関係を垣間見ることができる。
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