特集 慢性腎臓病大全—“困った”に応える診療アップデート
【さまざまな疾患とCKD】
❼マルチモビディティとCKD
岡村 員裕
1
,
中野 敏昭
1
1九州大学大学院 病態機能内科学
キーワード:
慢性腎臓病
,
CKD
,
マルチモビディティ
,
ポリファーマシー
Keyword:
慢性腎臓病
,
CKD
,
マルチモビディティ
,
ポリファーマシー
pp.287-291
発行日 2026年3月15日
Published Date 2026/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.218880510360030287
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
CASE
患者:78歳、男性。
主訴:半年前からの下肢浮腫と倦怠感。
生活歴:長年にわたり2型糖尿病、高血圧症、脂質異常症に対して通院治療を継続していた。骨粗鬆症や不眠症の指摘もあり、治療を受けている。5年前に心不全による入院歴あり。現在は循環器内科、糖尿病内科、整形外科、かかりつけ医の4施設に通院している。お薬手帳には降圧薬・血糖降下薬・利尿薬・脂質異常症治療薬・骨粗鬆症治療薬・睡眠導入薬など計10剤が記載されており、服薬管理に難渋している。
現病歴:半年前から下肢浮腫と倦怠感が進行し、総合病院を紹介され受診した。初診時の血液検査ではCr 2.5mg/dL、eGFR 20mL/分/1.73m2、尿蛋白2+を認め、糖尿病腎症を原疾患とするCKDステージG4と診断された。以降も服薬負担と副作用に悩まされ、立ちくらみや転倒の不安が出現した。膝痛も続いているが、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は腎機能の悪化を懸念して中止され、鎮痛手段が限られている。診察時には「薬が多すぎて管理できない」「透析は絶対に避けたいが、薬を飲んでふらつくのも怖い」と訴えている。生活の目標として「自立を維持して孫の成長を見届けたい」と語っている。

Copyright © 2026, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.

