特集 慢性腎臓病大全—“困った”に応える診療アップデート
【総論】
❶CKDの日常診療
小杉 智規
1
,
丸山 彰一
1
1名古屋大学大学院医学系研究科 病態内科学講座腎臓内科学
キーワード:
慢性腎臓病
,
CKD
,
心血管疾患
,
CVD
,
蛋白尿
,
推算糸球体濾過量
,
eGFR
Keyword:
慢性腎臓病
,
CKD
,
心血管疾患
,
CVD
,
蛋白尿
,
推算糸球体濾過量
,
eGFR
pp.236-240
発行日 2026年3月15日
Published Date 2026/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.218880510360030236
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CKDの疫学
慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)は、わが国において“新たな国民病”と位置づけられる重要な健康課題である。2023年末時点で、日本で慢性透析療法を受けている患者総数は34万3,508人に達し、人口比でみると台湾、韓国に次いで世界第3位である。また、全世界の人口の約10%がCKDに罹患しているとされ、2024年に全国健康保険協会(協会けんぽ)のデータベースと国民健康保険(国保)データベースを用いて推計された日本のCKD患者数は約2,000万人(成人5人に1人)であった1)。高齢化の進展とともに、今後さらなる患者増加が予測される。
CKDはさまざまな腎疾患を包括する概念であり、その原因や患者背景、併存疾患に応じて治療方法や腎予後は大きく異なる。自覚症状が乏しいまま進行し、適切な診断と治療がなされなければ、不可逆的に悪化して末期腎不全に至り、透析療法や腎移植といった腎代替療法を必要とする。また、CKDは比較的早期から心血管疾患(cardiovascular disease:CVD)や全死亡といった重篤なイベントのリスク因子となることが知られている(表1)2)。国内外の臨床研究により、腎機能障害(推算糸球体濾過量[estimated glomerular filtration rate:eGFR]の低下)や蛋白尿・アルブミン尿は末期腎不全、心血管死、全死亡の強力なリスク因子であることが示されている。したがって、さらなる健康寿命の延伸を図るためには、CKDを早期に発見し、早期に適切な介入を行うことが重要となる。

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