増大特集 病態バイオマーカーの“いま”
Ⅱ.腎疾患
L-FABPと糖尿病性腎症
野入 英世
1,2
Noiri Eisei
1,2
1東京大学医学部附属病院血液浄化療法部
2東京大学医学部附属病院腎臓・内分泌内科
キーワード:
L-FABP
,
腎症病期分類
,
尿アルブミン値
,
推算糸球体濾過量
,
eGFR
Keyword:
L-FABP
,
腎症病期分類
,
尿アルブミン値
,
推算糸球体濾過量
,
eGFR
pp.410-411
発行日 2016年10月15日
Published Date 2016/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425200492
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L-FABPは,ヒトの腎臓では近位尿細管に限局的に発現しており,虚血による低酸素や酸化ストレスにより誘導され,腎障害バイオマーカーとして,糖尿病性腎症も包括した体外診断薬の認可を取得しており,診療報酬点数は210点である。測定法としては,ELISA,ラテックス凝集法,化学発光酵素免疫測定法が用いられており,日差再現性が高い。糖尿病性腎症での病期の進行のみならず,2型糖尿病における心血管系イベント発症のリスクを早期に検出し得る指標として期待されており,日常診療では尿アルブミン値と共に測定することで患者ケアを深化させることができる。
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