What's your diagnosis?[272]
くり返した結果
米本 仁吏
1
,
酒見 英太
2
1大和高田市立病院 感染症内科
2洛和会 京都医学教育センター
pp.968-971
発行日 2025年8月15日
Published Date 2025/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.218880510350080968
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病歴
患者:54歳、男性
主訴:知的障害、易転倒性
現病歴:出生から小学生時まで成長・発達に異常なし。中学生時にいじめにあって、閉じこもりがちになり、養護学級に移った。以後ずっと「知的障害」や「自閉症」と言われてきた。たまに喫煙するが、酒は一滴も飲まない。20代頃からつまずきやすくなり、頻回に転倒をくり返しており、大きな転倒を契機に48歳で施設入所した。52歳時の脳MRIでは、側頭葉先端部を含む両側大脳皮質下や側脳室周囲の白質に高信号を指摘されている(後述)。
前日からの発熱と背部痛で救急搬送され、ショックバイタルで腹部に圧痛あり、造影CT、血液培養より、総胆管結石性胆管炎からの大腸菌性敗血症と診断されて抗菌薬投与を受け改善したが、知的障害と易転倒性の原因が未診断であった。
既往歴:肺胞低換気(48歳時指摘)、両側白内障手術(49歳)、発作性上室頻拍とⅠ度房室ブロック(51歳時指摘)、両側難聴(53歳時指摘)
常用薬:なし
家族歴:父は胃がんで30年前に死去。上の弟は20代で交通事故死。母と下の弟に特記すべき既往なし。

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