Japanese
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特集 膵・胆・肝の外科
大量の吐血,下血をくり返した胆石による胆道出血の1例
A case of bile duct bleeding due to gallstones accompained with massive hematemesis and bloody stool.
井上 生二
1
,
緒方 節夫
1
,
山川 良精
1
,
染矢 内記
1
Seiji INOUE
1
1大牟田市立病院内科
pp.1201-1204
発行日 1968年7月20日
Published Date 1968/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407204654
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はじめに
吐血または下血をきたす疾患は少なくないが,もつとも多く遭遇するのは,胃,十二指腸の消化性潰瘍であり,ついで胃癌,胃炎,食道静脈瘤などの頻度が高い.しかし,その他に胆石ないし潰瘍に基づく胆道出血のあることを逸するわけにゆかない.その発生例はさほどしばしば見られるものではないが,その故に,他の疾病による消化管出血との鑑別が困難なことが多い.そうして,適切な外科的処置を迅速に行なうことによつて,その出血死を防ぐこともできるのである.
われわれは,最近上腹部痛を伴う大量の吐血下血を主訴とした患者について,緊急手術を行なつたところ,多数の胆石による総胆管内出血をみとめ,胆のう動脈結紮などの外科的処置によつて幸いに救命治癒しえた症例を経験した.
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