What's your diagnosis?[270]
溶けててもいいの?
酒見 英太
1
1洛和会京都医学教育センター
pp.706-710
発行日 2025年6月15日
Published Date 2025/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.218880510350060706
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患者:80歳、主婦
主訴:食欲不振
患者背景:生来健康で長年医療機関に受診なく、市販のロコモア®以外に常用薬のない80歳女性。夫・子2人との4人暮らし。飲酒・喫煙せず、アレルギーもない。
現病歴:約6週間前に発熱・湿性咳あり、1週間後ふらついて転倒したのをきっかけに1回目の救急外来(ER)受診。バイタルサインと胸部X線写真は正常にて、アセトアミノフェン、鎮咳薬、去痰薬を処方され帰宅。以後約2週間かかってようやく回復したが、約2週間前より徐々に倦怠感が出現し、10日前より微熱、7日前より食欲低下をきたし、腹痛はないが便秘気味となり、当日は悪心で水分摂取もままならなくなりERを再診。
ERでは、体温37.4℃、座位血圧136/98mmHg、脈拍数99回/分、呼吸数18回/分、SpO2 97%(室内気)。有意な身体所見の異常なく、心電図では軽度の非特異的異常のみ、胸腹部単純CTでは経口摂取低下の結果と考えられる胆囊拡張と便秘のみで、有意な異常はなかった。血液・尿検査は表1に示す通りで、生理食塩水500mL、ラクテックD®500mL+ナイロジン®の静脈内注射(DIV)後、少し元気になったため帰宅し、翌日の総合内科外来に紹介された。2カ月以内に頭痛・めまい、気道症状・声質の変化、胸痛・背部痛、尿路症状はなかった。

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