特集 シマから学ぶ、プライマリ・ケアの未来—いざ、素晴らしき離島医療の世界へ
【総論】
❹島づくりの観点から考える同心円上のウェルビーイング【大島、三宅島より】
伊藤 奨
1
1一般社団法人アットアイランド
キーワード:
ウェルビーイング
,
東京諸島
,
島づくり
,
心の健康
Keyword:
ウェルビーイング
,
東京諸島
,
島づくり
,
心の健康
pp.607-609
発行日 2025年6月15日
Published Date 2025/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.218880510350060607
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私は幼少期から、東京都にある11島の有人島のうち、3つの島を流れ育ってきました。具体的には、伊豆大島、小笠原諸島の父島、八丈島です。父親が東京都の診療放射線技師を務めており、無類の島好き・海好きだったために、転勤の際に島しょ部を熱望したからです。島では、休みになれば海に行き、シーカヤックで無人島を目指し、タコを獲り、イルカと泳ぎ、秘密基地を造り、本物の圧倒的な自然の中で育ちました。そして、多感な時期に島から島へと転校を繰り返してきたことで、島それぞれに個性の違いがあることを認識し、島を超えて友達がこの太平洋上にいる感覚に面白さを感じていました。
このような背景から、東京の島々の個性を伸ばし、つながり合うことで生まれる可能性を広げる役割を担いたいという想いが膨らみ、2016年25歳の時に一般社団法人アットアイランドを起業、同時に三宅島へ移住しました。三宅島を選んだ理由は大きく2つ。まず1つ目が、「牛頭天王祭」という1820年から続くお祭りにかける人々の魂に感動して、その一員になりたいと思ったことです。2つ目は、20代で東京諸島に帰って起業するロールモデルになりたいと思い、あえて自分の住んだことのない島に飛び込み、事業づくりにチャレンジしてみたかったからです。

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