特集 —初診・救急外来で出合う—精神疾患と間違えやすい内科疾患
【各論】
Case 8 スイッチが入ったように怒り出す認知症の高齢男性
司馬 熙
1
1諏訪中央病院 リウマチ膠原病内科
キーワード:
非けいれん性てんかん重積状態
,
NCSE
,
脳波
,
意識障害
,
VAPES
Keyword:
非けいれん性てんかん重積状態
,
NCSE
,
脳波
,
意識障害
,
VAPES
pp.288-292
発行日 2025年3月15日
Published Date 2025/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.218880510350030288
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Case
患者:80代、男性。救護施設入所者。
現病歴:アルコール使用障害と認知症がありながらも、10年前までなんとか独居していた。生活が破綻して現在の施設に入所した。それを期に断酒し、施設内での社会生活は営めていた。時々怒ったり文句を言ったりすることはあったが、意思疎通可能で暴力はなかった。4日前まではいつもと変わらず過ごしていた。4日前の夜は眠れず、3日前の朝から辻褄の合わないことを言い、職員に暴力を振るうようになった。施設での介護が困難になり、職員が当院救急外来に連れてきた。
既往歴:認知症(2年前の改訂長谷川式簡易知能評価は11点)、右視床出血(後遺症なし)、高血圧症
薬剤歴:アゼルニジピン8mg 1錠/日、ワセリン
生活歴:ADL自立。入所時まで大量飲酒・喫煙(詳細不明)。
〈初療医の記録〉
バイタルサイン:general:そわそわしている。意識:JCS I-2(日付×、場所×、人物×)、GCS E4V4M6。体温36.4℃、血圧123/82 mmHg、心拍数103回/分、SpO2 98%(室内気)、呼吸数16回/分
一般身体所見:両下腿に軽度浮腫がある程度で異常なし。
頭部CT:頭蓋内占拠性病変や出血はない。

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