特集 —初診・救急外来で出合う—精神疾患と間違えやすい内科疾患
【各論】
Case 5 見えないものを可視化する—足のつっぱりを通じて
森島 亮
1
1東京都立神経病院 脳神経内科
キーワード:
スティッフパーソン症候群
,
スティッフリム症候群
,
抗GAD抗体
,
progressive encephalomyelitis with rigidity and myoclonus
,
表面筋電図
Keyword:
スティッフパーソン症候群
,
スティッフリム症候群
,
抗GAD抗体
,
progressive encephalomyelitis with rigidity and myoclonus
,
表面筋電図
pp.272-275
発行日 2025年3月15日
Published Date 2025/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.218880510350030272
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Case
患者:38歳、男性。
主訴:下肢のつっぱり
既往歴:橋本病、悪性貧血
現病歴:周産期および成長・発達に異常なし。学校の成績も上のほうで、運動も得意だった。2年前からしばしば左下肢全体がつっぱることに気づいた。ストレスのかかった時や緊張した時、長距離歩行した時に症状が誘発されることが多かった。症状のよく出る時期と比較的弱い時期を週〜月単位で繰り返し、症状の強い時にはつっぱりが強いため転倒してしまうこともあった。他院を受診し「ジストニアのようにもみえる」と言われたが確定診断はつかず、精神科にも紹介され受診したものの精神疾患は否定的とされた。対症療法としてジアゼパムを処方されたところ一時的に症状は緩和されたが、再度増悪傾向にあるとのことで精査を希望して受診し、精査入院となった。
神経学的所見:左下肢優位の腱反射亢進、左下肢の痙性。筋力は正常に保たれる。

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