特集 —初診・救急外来で出合う—精神疾患と間違えやすい内科疾患
【各論】
Case 4 妊娠初期の歩行困難と無気力で脳梗塞と周産期うつ病が疑われた症例
柴田 綾子
1
1淀川キリスト教病院 産婦人科
キーワード:
周産期うつ病
,
HELLP症候群
,
可逆性脳血管攣縮症候群
,
Wernicke脳症
Keyword:
周産期うつ病
,
HELLP症候群
,
可逆性脳血管攣縮症候群
,
Wernicke脳症
pp.268-271
発行日 2025年3月15日
Published Date 2025/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.218880510350030268
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Case
患者:40歳、妊娠初期の女性。
現病歴:「歩行困難、無気力」を主訴に近医より緊急紹介されてきた。歩行困難のため車椅子で夫に付き添われて来院した。
患者は車椅子の上で頭をがっくりとうなだれた状態で、目はうつろで視線は合わず、呼びかけに対してもほとんど反応がなかった。医師から本人へいくつか質問をしたが返事は得られず、付き添いの夫が返答した。鼻指鼻試験やBarré徴候は、本人の協力が得られず施行できなかった。精査目的のため緊急入院となった。
来院時バイタル:血圧89/62mmHg、脈拍数90回/分、呼吸数20回/分、体温37.2℃

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