Japanese
English
特集 性差と精神医学—なぜ頻度や重症度に差があるのか
うつ病は,なぜ女性に多いのか
Why Is Depression More Common among Women than among Men?
寺尾 岳
1
Takeshi Terao
1
1大分大学医学部精神神経医学講座
1Department of Neuropsychiatry, Oita University Faculty of Medicine, Oita, Japan
キーワード:
うつ病
,
depression
,
女性
,
women
,
月経前不快気分症候群
,
premenstrual dysphoric disorder
,
周産期うつ病
,
perinatal depression
,
エストラジオール
,
estradiol
Keyword:
うつ病
,
depression
,
女性
,
women
,
月経前不快気分症候群
,
premenstrual dysphoric disorder
,
周産期うつ病
,
perinatal depression
,
エストラジオール
,
estradiol
pp.57-63
発行日 2024年1月15日
Published Date 2024/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405207171
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抄録
女性にうつ病が多い要因として,遺伝的要因,性ホルモン,性成熟や性的虐待,月経前不快気分症候群,周産期うつ病,更年期うつ病,心理学的要因などを取り上げた。心理学的要因として具体的には,神経質,反芻思考,不安症の合併,対人関係のストレス,サポートのなさから受けるストレス,児童期の性的虐待などが男性よりも女性に多く,うつ病との関連が考えられた。性ホルモンのうち,従来から注目されているエストラジオールの影響に関しては,必ずしもエストラジオール濃度の低さで女性のうつ病を説明できるものではなく,一部のうつ病患者で特にエストラジオール濃度の変動に敏感な患者が存在することを指摘した。今後,女性のうつ病に特化した診断基準や治療法の開発が期待される。
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