ジェネラリストに必要な ご遺体の診断学・22
実践基本編②:脳梗塞と脳出血
森田 沙斗武
1
1大阪はびきの医療センター 臨床法制研究室
pp.92-95
発行日 2025年1月15日
Published Date 2025/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.218880510350010092
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Case 1
患者:78歳、女性。2年前に夫と死別してから一人暮らし。
既往歴:高血圧、脂質異常症
病歴:近くに住む長女が週に1回程度様子を見に行っていたが、ADLは保たれ家事は自分自身で行っていた。高血圧などの生活習慣病に対してかかりつけ医に定期的に通院していたが、概ねコントロールは良好であった。
某日午後3時頃、長女が訪問したところ、頭部が台所のテーブルの下に入り込み、右側臥位で死亡しているのを発見。午後3時7分救急要請、21分現場到着するも一部に腐敗色変色が現れていることから、不搬送となった。
現場には多量の失禁を認め、左手掌には漂母皮形成を認めた。また、頭方に挙上した右手にはテーブル下の電気コードが絡まっていた。さらに、右頬部および右腸骨稜に生活反応を伴った軽微な褥瘡を認めた。
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