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患者:51歳、男性
主訴:発熱(初診時点で12日間持続)
患者背景:近くの開業医より高血圧症と痛風・尿路結石に対し長年アムロジピン、アロプリノール、クエン酸K/Naを処方され、3年前に診断された潰瘍性大腸炎(UC)に対しては大病院消化器内科よりメサラジンと酪酸菌整腸剤を処方されている。大工をしており、11年前に禁煙するも、ビールは700 mL/日を飲む。食物・薬物に対してアレルギー反応をきたしたことはない。
現病歴:病人・動物との接触、旅行、婚外性交はなく、UCも安定していたが、12日前より>38℃の発熱をきたし、同日より解熱薬を服用するも改善しないので、7日前に別のクリニックを受診。4日前の胸部X線写真で異常はなかったが、血液検査ではWBC 9,500/μL(好中球84%)、CRP 13.2 mg/dLであったため、AMPC/CVA(アモキシシリン・クラブラン酸)を処方され当科受診日まで服用した。便はゆるくなったが、それ以外の局所症状は加わらず、1日前も戦慄を伴わない39℃の発熱をきたしたため当科を紹介受診。食欲はやや低下するも努力して食べられてはおり、健康時の体重は63 kgと記憶していたものが60 kgまで減っているという(身長168 cm)。親兄弟に結核罹患者はいない。
陰性症状:頭痛・頸部痛、上下気道症状、呼吸苦、胸痛、悪心・嘔吐、腹痛・便通変化、泌尿生殖器症状、腰背部痛、筋肉痛・関節痛、皮疹、脱力・しびれ、脳幹症状
初診時身体所見:体温37.6℃、他のバイタルサイン正常、日焼けしており元気、鼻声・嗄声・咳なし、皮疹・出血斑なし、表在リンパ節腫脹なし、頭部に圧痛なし、結膜・口腔咽頭粘膜正常、頸部に圧痛・腫瘤なし、甲状腺正常、心に過剰音・雑音なし、肺に副雑音なし、両腎を含め背部に叩打痛なし、腹部に圧痛・腫瘤なし、肝脾腫・叩打痛なし、直腸診で肛門・直腸に圧痛・腫瘤なし、前立腺正常、少量茶色便の潜血 陰性
検査所見:表1
造影CT(初診日)読影所見:左副腎腺腫あり、両腎に造影ムラ(図1,2)があるが、周囲脂肪織は正常、水腎なし、リンパ節は後腹膜で少数目立つのみ
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