特集 Hospitalistのための画像診断—③腹骨盤部編
Part 2 各論:臓器ごとの読影方法
3.胆囊・胆道,膵臓,脾臓—撮影法の利点を理解し,臓器ごと,臨床シナリオから考える
小坂 一斗
1
Kazuto KOZAKA
1
1金沢大学附属病院 放射線部
pp.457-477
発行日 2025年7月1日
Published Date 2025/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.218804090120030457
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上腹部臓器における画像診断として,CTおよびMRIは超音波を施行したあとに行われることが多い。これは,CTおよびMRIが超音波と比べて検者による影響が少なく,客観性に優れ,死角がないという利点があるためである。
CTにおいては,ヨード造影剤の使用は侵襲度が高まるため,特段の目的がないかぎり単純CTが選択される。しかし,単純CTでは腹部臓器と病変のコントラストが不良であることが多く,病変を注意深く探さなければ検出が難しい。このため,必要に応じて精査プロトコルを選択する必要がある。なお,本稿では造影CTと造影ダイナミックCTを使い分ける。造影CTは造影剤をゆっくり静注し,多時相撮影を行わない撮影法である。これに対し,造影ダイナミックCTは造影剤を急速静注し,多時相撮影を行う撮影法である。MRIでは,特に胆管・主膵管の評価が可能なMR胆管膵管撮影(MRCP*1)が重要である。
まず基本的な読影手順を述べたのちに,各論として臓器ごとの読影方法,そしてさまざまな臨床シナリオに応じた読影の解説を行う。

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